新年明けましておめでとうございます!
どうもまめたんです。
18年は久留米大盛り上がりでしたね。
新規で始めるブリーダーも多く、期待に胸膨らませるシーズンとなっていると思います
今回、私の番ということでいろいろ考えましたが、ここは初心を思い出すということで、
“久留米初心者がまず何を補強すべきか”
を考えていきたいと思います。
久留米を少しかじったことがある方でないと「暗号が解読できない」ところもありますがご容赦ください。
さて、みなさん久留米の親収集をするにあたって、難しいのは虫の背景だと思います。
正直、初めて松野さんで購入するときは何買ったらいいの?状態でした。
虫はそれなりにやってきましたが、血統物業界初心者には決してやさしいとは言えず、あれもこれもと「良い」個体が出てきます
「良い」という日本語は主観的な表現であり、
”この血は貴重である”
”同腹サイズは小さかったけどポテンシャルがある”
”今後重要になる”
など「良い」はブリーダーにより少しずつ異なるものです。
しかし、初心者からすると「良い」系統=デカイ(大き目)の個体が出やすい系統なのではないでしょうか?
私は、初心者の方が始めるにあたって、
“血”とか“希少さ”よりも、まずは多くの人がやる”王道”ラインからやってみる
ことを強く推したいと思っています。
”王道”という表現があいまいとなってしまうため、
・皆さんがどんな個体を補強しているのか
・どういう系統が成績を出してきているのか
これらを軸に、久留米初心者である私が、『“王道”の補強』について考えていきたいと思います。
前置きが長くなりました。ここからが本文です。
<皆さんがどんな個体を補強しているのか>ですが、折角KLBのデータがあるのでまとめてみました。
表1 KLB参加者の親虫のブリーダー割合

こちら各参加者の背景割合です。便宜上、幼虫里子は里元でカウントしています。
赤、青、黒と値が高いものとなっております。“5”以上の値のあるブリーダーのみピックアップしています。
「♂親」、「♀親」は両親のカウントです。データを見ると流石!KLB事務局のブリーダーである“チョネさん”、“クマモンさん”の割合が圧倒的です。
祖父母の使用率を見ても「♂親」「♀親」の使用率が高いためか、高い割合になっています。データを見ると♂側でチョネさんの個体が使用されていることが多いような?チョネさんの♂×他のように。
またマツノさんの虫は♀で使用されている割合がやや高いかも?と見えますが、有意な違いであるかはN数が少ないのでなんともいえません。
ここはローデータから参照しないと分からない面ではありますが、なんとなく“チョネさん”、“クマモンさん”の虫が多く使われていることが分かりますね。
では、“1部”だけでピックアップしてみたらどうでしょう。
表2 1部リーグ参加ブリーダーの親虫割合

表3 1部リーグ参加者系統一覧

1部だけにしてみると、自ブリ個体を使っている方も多いこと、元々の数が少ないこともあり、バラツキが出てしまいます。
やはりみなさん自分の方針を持って自身のある虫を使っているということでしょうか?
しかし、1部だけでソートすると割合が上がっているブリーダーがいます。
それは虫蔵さんです。虫蔵さん15-16はいろいろなところで使用されていた人気ラインですね。しかし、私個人が思うにこの虫蔵さん15-16は難しい虫なのかなと思ってます。大きくなりやすい虫ですが中々のじゃじゃ馬。虫蔵さんの17年の形状を見ると15-16にものすごい強い癖があるわけでもなく、合わせたメスで形状が変化している印象。これからより完成度の高い虫へ昇華していけるかどうかはブリーダーの組み合わせのセンスと虫作りの技量が試される虫だと思います。今後楽しみな系統だと思います。
全体と1部だけでこれだけ違いが出てきているので、さらに別の角度からも検討したいと思います。
実績という意味で88upはどんな系統から出ているのでしょうか?
私が知る範囲ですが、18年羽化で88up完品が出た親を書き出してみます。
*漏れあったらすみません。
表4 88up親一覧(一部省略)
かっちゃんさん多すぎて書ききれないという・・・
これだけみると18年羽化はマツノ系が強いですね。

独自路線のチョネさん。shima系で88upを出したmindorさんが今後どう進化させていくのかが今後の見所となりそう。
15年何かと話題だった15-59の88mmの“正統派後継”となるだろう「マツノ17-1(マツノ15-59×マツノ15-1)」は注目のラインになりました。
今シーズンの補強では、”15-59”の血をどう自分のところにいれることは“王道”であったかなと思います。
それともう一つはかっちゃんさんの”90mm”到達を可能とした黒王さんの「K3(13mk1×13-4)」。かっちゃんさんの技量に「K3×15-1」という爆発力を持ったラインの化学反応でもたらされた90mm。
「K3×15-1」は黒王さんの17MIK20でもあり、「K3×15-1」は結果的に“王道”の組み合わせとなっていたと思います。
久留米をやる上で、必ず目にするライン「マツノ11-1」、「マツノ11-8」。もっと言うと、13-26、13mk1、(13-21)を筆頭とする「マツノ11-1×マツノ11-8」はまさにマツノ系久留米の“王道”と言える組み合わせ。
13-26の系統、13mk1の系統に15-1の組み合わせから88mmupが出ているのはとても興味深いものだと思います。マツノ15-1がめちゃすごいメス親なんじゃないか?と思われる方もいるかもしれませんが、18年羽化でマツノさんでは15-1メスライン複数あるようですが、特大サイズは出ていません。これを再現できたら凄いと思いますが、“次世代”の“15-1”を探すのは難しそうです。
表5 マツノ17-1・K20・KA17-7背景表

さて、ここまでまとめてきましたが実際に補強するとなると状況は違うものです。
良いラインを買うということは中々出来ないので
“88同腹を購入出来ない前提”で、表4を参考にどう補強しようかを考えてみます。
私個人としては特に♂の補強時、優秀な成績のラインの“同背景”を追うより“88同の♂個体を使用したライン”を追いたいので、マツノさんの15-59の88mm、かっちゃんさんの♂K3ライン、虫蔵さんの15-16、チョネさんの15-10の84mm、shimaさんの83mmの♂使用ラインがほしいところです。
チョネさんからは15-10の84mmを1ラインしか使用していないようなので入手不可
mindorさんからは里子につき入手不可
虫蔵さんからは入手不可(ショップさんでのみ入手可能な場合あり)
かっちゃんさんのK3はつけたすべてが88同腹で入手困難
3464さんは在庫あるかどうか・・・あれば15-4♂絡みのラインがあるか?この時期だと厳しそう
マツノさんは17-1、17-8、17-9が88の♂使用ラインですが、17-8(プレミアム)が83mm、17-9が84mmこれまた初心者にはハードルが高い
そうなると、ちょっと頑張って入手できるかも?なところだと
かっちゃんさんからK3絡みの小さい♂を買うか、黒王さんから88同腹のペアを買うか・・、3464さんに在庫確認してみるのか・・
初心者にはどれも難しいか・・
これだけみると、最有力なラインはほんと補強って難しいと痛感する状況ですね・・
これが久留米の難しいところでもあります・・
と中途半端なところで、今回のまとめです。
結局のところみんながやってるの”王道”の補強は・・・
・チョネさん・クマモンさんに泣きついてみること(笑)
・予算的にちょっと頑張れる人は幅広く、早いうちから優秀なラインを押さえること
・18年羽化“は”マツノ系ブリーダーが優勢であった
てな感じですかね。ほんと結論が雑です(笑)
今から買おうと考えている方はこの時期はかなり厳しい状況だと思いますので、19年羽化からか、もしくはそれなりの予算で18年羽化個体の補強依頼するしかないですかね。
18年羽化の補強は今回のKLBの状況と一変していると思います。18年羽化でこれだけマツノ系が成績出していると、ツイッターで勢いあるブリーダーたちはマツノ系のいいとこを補強しているはずです。
そして、19年ブリードで自分の虫にマツノ系を合わせて更なる進化をさせていこうと目論むはず・・
初心者で情報がないブリーダーはその波に乗れず、後手を踏むこともあるかもしれません。独自の柱を持っておらず、“まだ”有名ブリーダーを参考にしている段階にいる私たち一般ブリーダーは有名ブリーダーに習うだけでなく、先読みしていくことも必要なのかなと思います。
19年羽化は、メルリンさんの88mmの子も出ますし、skipさんの88mmの子も出てきます。マツノさんの16-25の結果も少し見えてきますし、今までとは違った選択するための補強が出来るかもしれません。とても楽しみです。
ここまで長々と書きましたが、もし私が今1年目で新規補強するなら黒王さんから13mk1絡みで13mk1インラインを使ってなくて、なおかつ、13mk1の系譜のオスを使用したラインの”オス”を補強するかな~とか思ってみたりして。13mk1自体は様々な譲渡先88mm出てますしね。ほしいのは13mk1の進化形のオス。
かなりの長文にお付き合いいただきありがとうございました。
みなさま良い年始をお過ごしください。